かこさとしさん、素敵な絵本をありがとう

掲載日:2018年05月8日

「だるまちゃん」「からすのパンやさん」などのシリーズなどで知られる
絵本作家のかこさとし(加古里子)さんが
5月2日に亡くなったことが公式サイトで報告されました。
かこさとし公式サイト

 

92才で2017年まで最新作を描かれていた事には驚きでした。
「だるまちゃんシリーズ」「カラスのパンやさん」などは
一度は読んだことがあるのではないでしょうか?

あたたかくひきこまれる世界観、
子供も大人もワクワクするようなお話がいっぱいです。
一方でかこさんは科学や平和についても熱心に書かれていた印象です。

かこさんのかがくえほんシリーズ

はその書き込みの細かさ、正確さが特徴で子供向けだからといって不正確な事は伝えないような姿勢に誠実さを感じます。
何を隠そうかこさんは東京大学工学部応用化学科卒業。工学博士。
技術士(化学)。専門分野なんですね。

また児童文化の研究者でもあり昔あそび、伝承遊びについても次の世代へ残しておこうという気持ちが伝わります。

もし2~3歳でしたらからすのパンやさんは少し長いと感じるかも
しれません。
でも読んでみると不思議、子供たちも最後まで集中して聞いてくれていました。
これが良い絵本の魅力だと思います。

次のページをはやくみたいような、終わってほしくないような
そんな豊かな気持ちにさせてくれる絵本ばかりです。

私は特にだるまちゃんとてんぐちゃんが大好き
1967年の絵本です。

だるまちゃんはてんぐちゃんの持っているものなんでも欲しくなります。
家に帰るとお父さんにおねだりします。
こういった姿、最近では「良くない」と見られることが多いのではないでしょうか?
人の物を欲しがるのは良い事だはないと。
でも子供だって大人だって人の物がうらやましくて仕方がなくなるときが
ありますね。
だるまちゃんのおとうさんの奮闘は愛情いっぱいです。
子供らしい欲求を叶えてあげつつ、最期まで微笑ましい。
素晴らしい絵本だと思います。