子ども用ハーネス論争について、子育て環境はそれぞれ違う

掲載日:2016年12月23日

6078a0bfd760461f5d045a0b47be71e2_s子ども用ハーネスの是非について一部で議論になっています。
子ども用ハーネスは「迷子紐」「子ども用リード」などとも言われ
歩くのが楽しくなってきた年齢の子(使用年齢1歳~3、4歳程度の商品が多い)
に装着してその端の紐を親が持つというもの。

私自身、ハーネスの購入をずっと迷っていました。
結局タイミングを逃して購入には至らなかったのですが
購入に迷った経緯などをお話したいと思います。

私が購入を考えたのが第2子の妊娠中でした。
私は年子での出産を控えていて
上の子は1歳11ヶ月。
とてもしっかりしているし、お話をよく聞いてくれます。
それでもやっぱり1歳児、ヒヤリハットはしょっちゅうでした。

妊娠中にふと思ったのが
「これからどうやって買い物しよう」という事でした。
経験のある方は想像できるかと思いますが、
1歳後半位からの買い物は予想以上にハードです。
なにせすべてのモノに興味があり、自分で歩いて触れるのが
楽しい年頃ですから。

たとえば車のついた(子どもが乗れる)カートに乗せいても
「降りて歩きたい!」と泣き始めたり・・・
そんな風にごちゃごちゃとしていると
ほかのお客さんに迷惑をかけていないか気になったりで
帰ってみると買いたかったものが買えなかった・・・
なんて私はよくありました。

なので、ご両親や兄弟、友人と一緒にお買い物をしているママを
みたら心底うらやましく思っていたのです。
でも、それも自分勝手な思いですよね。
そのママや子どもがどんな体調や状況でお買い物に来ているかなんて
他人の私にはわかるはずも無いのですから。
勝手に自分の状況に当てはめて羨ましがっているだけなんです。
そんな当たり前の気づきも育児がひと段落した今だからわかった事でした。

そして色々悩んでいたところ、出産し育児が始まってしまい
購入するタイミングがありませんでした。

しかし、「購入しておけばよかった!」と後悔することはありました。

実際に2人を連れて買い物に行くのはもっともっとハードでした。
ある時、子ども用のマグの替えを買いに大型オモチャ屋に行った時の
事です。
娘を車型のカートに入れ、息子をおんぶしていました。
背中で息子が泣いたので、背中を向いて息子をあやしていた一瞬のうちに
娘がカートから消えていたのです!
ベルトが緩くなっていてすり抜けたようです。

そして必死に探しても広いオモチャ屋さんで
見つけることができませんでした。
すぐに店員さんたち総動員で探してもらってもなかなか見つける事が
できませんでした。

やっと発見されたのは、お店のトイレの個室の中だったのです!!
「おしっこでそうだったから、自分で来たよ~!」
とほめてほめての満足顔の娘。
そう、ちょうど娘はトイトレ中だったんです。
「漏れそう」と思った娘は私に何も言わずに一目散にトイレに向かった
ようです。

トイレの個室でみつかったのは奇跡的だと思っています。
トイレが終わっても、外はオモチャの山。すぐ側には外への出口がありました。
今思い出しても怖くて涙が出ます。

それからというもの、私は大型スーパーなどに「親の数=子どもの数」
がない限り行かなくなり
基本的な買い物はネットスーパーや生協ですませることになりました。

でもあの時ほど「ハーネスを買って、自分とつないでおけばよかった」
と思ったことはありません。
ハーネスを使用しているお母さんたちも、そんなヒヤリハットを経験した
のかもしれませんし、
こういった経験を先輩ママから聞いたのかもしれません。

双子や三つ子のママ、体調が悪いママ、妊娠して走れないママ
人それぞれいろんな状況があります。
子どもだっていろいろな性格や状況があります。
ママ×子どもの組み合わせやその家族の状況は
絶対に他人には予想できないんです。
また育児論に限らずよくみかけるのが「自分の住む地域がすべて」
だと思っている人です。
自分の住む地域は道幅が広く、車も少ないかもしれません
スーパーの店員さんはみな顔見知りで気にかけてくれ、
住む場所は治安が良いかもしれません。
でも子育てしている人たちはもっともっと様々な場所に住んでいて
色々な状況の中で育児をしているんです。

一番大切なのは何か?
それは子どもを守ることです。
子どもを守るのは自分しかできません。

道具に頼るな!人に頼るな!
ちゃんと子育てすれば言う事を聞く子どもが育つ!
そんな言葉どうでも良いと思います。

何かあってから後悔したのでは遅いのです。
ハーネスに限らず、
正しい道具の使い方やマナーを守るのが前提で
通りすがりの誰かの声に心を痛めなくて良いと
私は思います。