「子どもの前で絶対にケンカしない」ルールを破ってから

掲載日:2017年06月17日

b153d921eb5be5fdf354d6052a8265cc_s夫が(妻が)大切な人だとわかっていても
どうしても許せない時ってありますよね。
そんなときに子どもが一緒にいたらみなさんはどうしますか?
・子どもの前ではパートナーの悪口は言わない
・子どもの前ではケンカしない
と決めている家庭も多いのではないでしょうか?

我が家はとある理由からこのルールを
とても大切にしてきました。
でも最終的にはこのルールをやめることになります。
その結果どんな影響があったか
我が家の体験をお話したいと思います。


絶対に子どもの前で泣かない・ケンカしないように

筆者が妊娠したとき、夫や義母に口すっぱく言われたことが
「(たとえまだ言葉を話せない赤ちゃんであっても)子どもの前で泣いてはいけない」
「子どもの前でケンカしてはいけない」
ということです。

実際に子どもの前でケンカすることへの悪影響は
様々なところで言われているので
私も「その通りだな、そうしよう」と心に決めました。

3歳の記憶が頭から離れない夫

なぜ夫や義母がそのルールにこだわるかといえば
自身の経験からです。
義母は不仲が原因で離婚するのですが
夫は大人になっても子どもの頃の記憶
ー夜中目を覚ますと両親の怒鳴りあう声がきこえて
今は起きちゃいけないんだ、と布団にもぐるけど怖くて寝付けないー
という記憶が悪夢になることがたびたびあり
夫自身も親の不仲が与える影響を感じていました。
その経験から自分のつくる家庭では絶対に子どもにそんな想いは
させたくないと強く思っていました。

子どもの前でールールは守るも、3年で離婚話に

その後妊娠出産し生活する中で、
生活習慣の些細な違いや
考え方の違いが起こりますが「子どもの前では・・・ルール」があるため
結局夜まで持ち越す・・・・
時間がたっているので、その時感じた気持ちをうまく伝えられない・・・
不満は残ったままだけど、もうどうでもよくなる・・・
そんな日々が続きました。

そしてそんなすれ違いが積み重なり、
最初の意気込みに反して結婚3年で離婚話に発展してしまいました。
その頃の私たちは本当に不仲で、お互いがいないほうが心が平和で
顔を合わせると行動や言動のひとつひとつに腹が立つ・・・
子どもはお互いにかわいがっていましたが、
夫婦とはなんて脆いつながりなんだろうと
結婚生活への絶望も感じていました。

たくさん話し合い、もう一度関係を修復することに

離婚届も用意したうえで、たくさん話し合いを重ね
私たちはもう一度やり直す選択をしました。
実際この頃はお互いに冷め切っていて
「子どもの親である」以外の繋がりはありませんでした。

お互いに再構築したい気持ちがあることが前提で
お互いの態度や考え方に納得がいかないときには
都度、なるべくその時に言う・・
ということを繰り返していきました。

すると恋人同士だったときはわからなかった事、
人格を形成しているさまざまなモノがやっとお互いに見えてきて
きちんと相手に聞いたうえで
「これは許そう」
「これはやっぱり許せない」など
納得がいかないときは
常に対話してきました。

私たちにとって必要だったのは
「仲がよさそうにふるまう」「幸せそうにする」ことではなく
こういった丁寧な対話の積み重ねだったことがわかりました。

その実感があったうえで、子どもの前で
無駄な言い合いをすることはよくないけど
仲が悪いのに繕うことには何も意味がないと実感したのです。

子どもの前で大ケンカすることもたまにあります

対話を積み重ねて、私たち夫婦はやっと夫婦になれた気がします。
自分にとってはどうでもいいけど、相手はこだわっていること
踏み入ったらいけないゾーンや
どういう状況になるとむなしさを感じるのか・・・
そんなことをやっとわかるようになってきました。
完全に冷め切っていた関係も、徐々に回復し、とても良いものになりました。
今では世の中で一番信頼できる人、一番安心できる人が夫です。

それでも、
やっぱり余裕がなくイライラしていたり
ちょっとした言葉や行動やすれ違いや勘違いで
お互い怒りが収まらない時があります。

そんな時は子どもの前でも大ケンカすることもあります。
子どもが悲しそうだったり、びっくりしたり
どうしようとオロオロする姿も見ます。

でも、「なんで怒ってるのかわからないけど両親不機嫌」という
状況も同じように子どもはオロオロし、心を痛めているはずです。
子どもの前でケンカをしてはいけない
子どもの前で泣いてはいけない
それはもちろん、そうならない状況が一番ですが
子どもたちはもっともっと敏感で
わざと寝たふりをして布団にもぐっていた3歳のころの夫のように
目の前でケンカしなくても気が付いているはずです。
早い段階でわだかまりを解決していったほうが
家族にとってプラスなのかなと思うようになりました。

子どもの前でケンカしたときは仲直りするまでやめません。
でも仲直りしたら、その後のフォローが大切です。

子どもの前でケンカした後は

みなさんも子どもに
「自分が悪いときは自分から謝りなさい」と教えているのではないでしょうか。
子どもの前でその約束を破るわけにはいきませんよね…
お互いに謝って仲直りした後は
必ず子どもたちにも謝ります。
「こんなことでケンカしちゃってごめんね、ママたち仲直りしたよ」
「不安な気持ちにさせて心配させちゃったね」
と。
気分を切り替えて、家族で楽しく過ごします。

私たちは「子どもの前で泣かない」
「子どもの前でケンカしない」というルールが
結果的には家族を苦しめていました。
そうなれない、理想の夫婦や親になれない自分たちを責めて
こじれていました。

本来ならそうできるのが一番だと思います。
そうできている夫婦はとても素晴らしいと思います。
でもどちらかがずっと我慢する関係はいつか壊れてしまうと思います。

完璧な親ではありませんが、
お互いに家族仲良くやっていきたい気持ちがあるなら
たまには子どもの前でケンカした泣いてもいいのかな、
なんて今は思っています。